ヴェーダの家へ帰ろう〜住まいを調和するための古の教え

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ヴェーダの伝統では、ヨガや仕事、睡眠などの主要活動において、最もよいとされる方角があります。そして、体内の内臓にそれぞれの正しい位置があるように、様々な活動のための最適な場所が家の中にもあると考えられています。今回は、あまり知られていない「ヴェーダ建築」について、世界的権威の一人であるジョナサン・リップマンの記事をご紹介します。


家は、私たちの生理機能に滋養と調和を与えるべきものです。なんと言っても、家は生理機能を拡張したものだからです。ヴェーダの伝統的建築学は、その方法を教えるものであり、現代科学においても、なぜその効果があるのか、おぼろげにわかり始めています。

生理機能は脳に管理されています。そして、信じようがそうでなかろうが、脳は顔を向ける方向により影響を受けます。いくつかの動物を用いた生体医学の研究から、脳の深部にある視床の神経細胞は、顔が向いている方向を元に、異なった情報を伝えることがわかりました。視床は、成長、加齢、ストレスへの反応を調整といった大脳辺縁系の管理をするのと同様に、前頭葉前部皮質と体の間にある媒介のようなものであり、心と体を繋ぐ重大な部分です。

ヴェーダの伝統によると、ヨガや仕事、睡眠などの主要活動において、最もよい顔の向きがあります。地球上のどこにいたとしても、もっとも良い方角は常に東です。日の出の方向、地球の自転する方向、そして毎日宇宙が近づいて来る方向です。公開済みの研究によって、人が眠るときの方向と、鬱や心配の発生率との間には相関関係があり、ヴェーダの文献が示すとおりだと明らかになりました。

家は私たちの体の延長ですから、住処の方位を合わせれば、心と体に影響が及びます。ここでもやはり、東が一番良いです。ヴェーダの文献によれば、建物は南向きが最も悪く、問題や苦しみと関連します。南向きの家に住む人は、心理的健康状態が悪く、循環器専門医に罹っていて、あまり豊かではないという確認が研究によって明らかになっています。家の生理機能を、地球という天体の生理機能と共鳴させ、こういったダメージを与える影響を避けたいものです。伝統的ヒンドゥーの建築体系であるヴァツによると、東からの光は、窓が東に面しているだけあっても、健康促進に効果があるとされます。

太陽は時間ごとに様々なエネルギーを生成していますから、それに合わせて部屋の位置を決め、異なる太陽エネルギーが部屋の機能を高めるよう、ヴェーダの文献では教えています。体内でそれぞれの内臓に正しい位置があるように、様々な活動のための最適な場所が家の中にもあるのです。例えば、料理は家の南東にあたる場所が最も良く、ヴェーダ文献によれば、そこでは、消化の火(アグニ)の変革の力が最も大きいのだそうです。同じように、ヴァツでは、ヨガや瞑想を家の北東にあたる場所で行うと最も効果が上がると教えます。その方角の超越の影響を受け、実践が深まるためです。

そんな家であれば、自然の一番深い構造部と調和した住まいになるでしょう。古代の文献によると、こういう住まいは、肉体的健康、幸せ、関係性、職業上の成功、そして悟りのための成長を促進します。

わたしは、人生の大部分において、日常的にヨガと瞑想を実践する建築家です。ですから、わたしが、建築デザインと、ヨガで培う内なる平安との繋がりについて研究するのは当然のことでした。インドの聖人、マハリシ・マヘーシュ・ヨギーがアメリカに紹介した、ヴェーダ建築という古代の体系を学んだ時、その繋がりを発見しました。今は、マハリシ・ヴァツ(Vatsuはサンスクリット語で、自然体系で維持されているバランスと結合力を意味する言葉)と呼ばれています。わたしはこの体系を18年間、研究し、実践してきました。そして、ヴェーダは我々の家のためのパワフルなヨガを創り出す手引きを与えてくれるのだとわかりました。

現在いる何百人ものクライアントは、ヴェーダ文献が示す通りの変化を報告してくれます。スウェーデンに住むある夫婦は、「ヴェーダの家に引っ越してから、人生のどの分野においても、以前より満足するようになりました。より活気あふれ、健康で、内なる平和と喜びが増し、そして力強くなりました。そして、家の中での様々な行為は、ちょうど良い場所で行うことによって、よりうまく行くようになりました。例えば、よく眠れるようになりました。」と伝えています。

いままでになく、落ち着く家だと、マハリシ・ヴァツの家に住むようになったほとんど全ての家族からコメントが寄せられます。大家族であれ、小家族であれ、生活への影響は変わらないようです。これらの体験の裏にあるのは、ヴァツの家が、私たちの生理機能を管理する自然の法則の深い水準の現れであるということであろうと思います。ヴァツは実に、家のためのヨガなのです。

かつて、中西部に住む夫婦から、西向きの家のカウンセリングを依頼されたことがあります。生活のほとんど全てで、青春期の姉妹が口論し合っていました。両親と、そしてわたしも驚いたことに、西向きのドアを使うのをやめ、新しい東向きの玄関を開けたその日に、2人の少女は親友になったのです。

それにも関わらず、2〜3年後には、わたしは現在の住まいを調整したいと言うクライアントの仕事を受けるのをやめました。というのは、完全に、ヴァツの家だけから全ての影響を受ける体験をしてしまうからです。そのような理想的な家の持ち主の1人がこう話していました。「わたしの家は、完璧に安全で、しっかりと守られていて、純粋さと静けさと幸せの聖域のようなんだ。まるで家がわたしを守ってくれるようだよ。家の中にいても、出掛けていてもね。」

内外のエネルギーを全て調和することが、ヴェーダ建築の完璧で、全体的なアプローチです。そういった家に住めば、居住者は、より平和で健康で、幸せになり、そして悟りの機会が高まるでしょう。

現在の家やアパートに、どうしたらヴェーダ建築の効果を融合することができるかと、よく尋ねられます。家が基本的な方角のどれかひとつに向かっている限り、単純ですが、力強い方法をとることができます。

・ 建物に入るときは、東か北に向いたドアのみ使用する
・ ヨガや瞑想は、家やアパートの北東にあたる場所で行う
・ 仕事や勉強するときは、東か北に向いて座る
・ 眠るときは、頭を東か南に向ける

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jonathan-lipmanジョナサン・リップマン
(アメリカ建築家協会所属 マハリシ・ヴァツ建築ディレクター)
ヴェーダ建築において世界的権威の一人。この調和原則の結果を示す文献の医学的研究を照合し、ハーバード大学やテレビ番組「オプラの次章」等で、研究発表している。maharishivastu.org

[Practice2015年秋号より引用]

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