インド伝統の知恵であるアーユルヴェーダでは、私たちの世界は3つのドーシャ(エネルギー)の組み合わせで展開すると考えられています。ヴァータ、ピッタ、カパという3つのドーシャのうち、春はカパ(水と土)が優勢になるとされます。このカパに合わせた過ごし方をすると、春を快適に過ごしやすくなります。
今回は、ハイディ・A・スピアによる著書『Everything Guide to Ayuveda』から、カパの季節のセルフケアについてご紹介します。
カパの季節に最適な春の浄化
春は、一年のうちでカパが優勢になる季節です。冬の乾燥と寒さが溶けて、液体になり始める時期だからです。雨が降り、湿り気が増して重い泥ができます。母なる自然が花盛りの時期を迎え、鳥たちの甘いさえずりがカパの朝の時間に響き、春の到来を告げます。カパの季節であるため、人は風邪をひきやすく、鼻炎など鼻まわりの炎症を起こしやすく、またインフルエンザにかかる人も出ます。
健康でいるために、長い冬の間、体に溜まった老廃物を体外に出し、春の浄化をしましょう。さっそく、体に溜まった毒素の排出に役立つ方法をご紹介します。
1. 感覚を浄化するための朝の習慣を毎日行う
[アーユルヴェーダ的 朝の習慣]
●舌みがきをする
舌磨きスクレーパーで消化されずに残った物を、口の中からキレイにみがき落としましょう。
●ネティポット
鼻の中、鼻腔をきれいにしましょう。
●鼻にオイルを使う
鼻腔、鼻の通り道に適度な湿り気を与え、バクテリアやアレルゲンが付着するのを防ぎます。
●耳の中をオイルで洗浄する
耳を健康に保ちます。
●目にローズウォーターをスプレイする
目を潤し、目の疲れやかゆみを和らげます。
●全身をオイルでマッサージする
肌や関節、内蔵に潤滑油を与え、リンパと血液の流れをよくすることで免疫力を高めます。また心と体を安定させる効果もあります。
●白湯を飲む
コップ1杯の白湯を朝飲むことで、体に溜まった老廃物を排出する助けになります。
●関節のウォームアップとヨガ
活動を始める前に体の準備をします。
●外に出て散歩する
自然とのつながりを持ち、肺に新鮮な空気を送り、体を元気にします。
●プラーナヤーマ(ヨガの呼吸法)
集中する練習になり、一日をスタートする前の良い準備になるでしょう。
*どのドーシャタイプ(体質)でも、この習慣は年間を通して行うことをお勧めします。
2. 朝、散歩をする
爽快な朝に散歩をして、新しい季節の新鮮な空気を体に吸い込みましょう。
3. 一週間、食事は軽めに
特に混ぜ物のないクリーンなものを摂ります。全粒粉など精製されていない食物を自分のドーシャに合わせて食べましょう。一日を通して白湯を飲み、排出を促しましょう。間食、アルコール、コーヒー、甘いものは避けましょう。
4. スパイスティーを、朝か夜のカパの時間帯に飲む
クミン 小さじ1/4、コリアンダー 小さじ1/4、生姜 小さじ1/4を入れたティーポットに熱湯を注ぎ、5分間蒸らします。漉してから飲みましょう。
5. 寝る前と食後にトリファラを摂る
トリファラ(triphala)はマイルドで効果的なお通じ薬です。自然食品なので習慣癖になることはありません。ティーポットに小さじ半分を入れ、熱湯を注ぎ10分蒸らしてから漉して飲みます。食後の場合は、食べてから最低1時間経ってから摂るようにしましょう。
6. 寝る前に日記を書く
引っかかっている感情やわだかまりを解放しましょう。
7. よい時間に眠りにつく
眠い、疲れたと感じなかったら、寝床に就く前にゆったりとしたオイルマッサージを自分にしてあげましょう。それからベッドに入り、リラックスします。思っている以上に疲れているかもしれません。ヴァータの人は22時までには寝ましょう。ピッタの人は23時までに、カパの人も24時までには床に就くようにしましょう。
8. 毎朝起きたら、白湯を飲む
朝、最初に飲むものはコップ一杯の白湯にしてください。排出を促してくれます。
クレンジグの前に
これらのクレンジングをスタートする前、もしくは後に家全体を大掃除してください。ここ1、2年着ていなかった服は捨て、家の中をしっかり掃除しましょう。重い冬服はクローゼットの奥へ、軽く明るい春の服を出して衣替えをしましょう。
◎可能であれば、アーユルヴェーダ専門家の指導を受けながら行うことをお勧めします。
[YOGA BULLETIN 2012年春号より引用]
2020-04-01
カテゴリ: Kripalu Newsletter