アーユルヴェーダの日々 - 「一丸となる」〜小説のぼうの城より〜

小説「のぼうの城」やっと読みました。読後、浮かんで来た言葉は「一丸」。
人が集まることって悪くないと思わせてくれる本でした。

私は南インドのアシュラム(ジャングルの中)で1ヶ月過ごした時、しみじみ思ったことがあります。『人が集まるから、世界は汚れる』。

言葉にすると極端ですが、人が少ししかいない、あるいは全くいない自然は、そのままでとてもバランスよく美しい。掃除などしなくてもうまく浄化され、臭いも汚れもなく、輝くように美しかった。

一方、アシュラムに戻ると、人が100人以上集まってる。人が生活することで、環境が一変。明かりや食べ物があるから、ジャングルの生き物が集まって来る。例えば蚊も増えるし、見たことないような大きなムカデとかも・・・出てくると退治される。誰かがカルマヨガの掃除をさぼると、汚臭と汚れでクレーム炸裂。大勢で暮らすのは大変だ、人間が集まるところは、ちゃんと掃除しないとな、そんな風に思ったものです。

また心理的にも大勢人が集まることで、気疲れするようなこともあります。そんな調子で、気心の知れた少人数でぼちぼちやってるのが好きなところがありました。

「のぼうの城」には扱いづらい人間も、一面だけみていると嫌なヤツも、何の役にも立たなそうな人も色々出て来ます。そういう色んな人間が集まってくる。一人ひとりが完璧である必要はなく、まぁそんなことは所詮無理なことで、それが「一丸となる」ことで大きな力になることのリアリティを感じさせる本でした。恐れや怒り、自己顕示や金銭欲などからではなく、誰かや何かを好きだと思う人の純粋な心根から人が集まるから、『一丸』になれたのかなと思います。人が集まるのって、悪くない。ニッと笑いながらそう思っています。

2009-11-02

カテゴリ: アーユルヴェーダの日々

 

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