アーユルヴェーダの日々 - 10日間の瞑想と「話すこと」

家事、育児、仕事からも離れ、10日間の瞑想で黙する時間をもたせてもらった。以前同じコースで坐った時とは、起ることも感じることも違う。しかし、帰宅してから、以前と同じように感じることがあるのに気づいた。それは、「話すこと」にまつわることだ。
沈黙すると、話すことでエネルギーを放出しない。代わりに、意識は自分の内に向き、高まり、気づきやすい状態になる。沈黙が解かれ、言葉で他者と会話すると、まるでエネルギーを互いに交換し、どんどん高め合っているような感覚を生む。これは、まことに心地よく、興奮する。相手の放つ言葉にインスピレーションを受けて、自分の気づきが広がることもある。しかし、その反面、相手の言葉に対して、反射的に言葉を返している時、本当に起っていることとちょっと違うことを言っている自分に気がつく。そして、自分の中に起こった感覚や感情を味わうことを逃している。

子供の頃、よく話す人は明るいとか、社交的だという価値観の中で育ったから、黙ることに怖さを感じているところもある。しかし、沈黙する時間は、自分自身に起っていることを味わうために必要な「間」だ。そこに自分を置くスペースが生まれる。本当に起ったことを感じてから放つ言葉には、真実の自分が込められている。言葉を大切に受け取り、使うためにも、エネルギーを自分の内へ向け、黙る時間を持って日々を送りたい。

2010-07-05

カテゴリ: アーユルヴェーダの日々

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