気づき (awareness)

「クリパル・エクスプレス」Vol.137(2012.11.29発行)より抜粋

私がヨガを指導し始めた30年程前は、「気づきって何ですか?」という質問を生徒からよくされました。気づくという表現は日常であっても、「気づき」という名詞表現は、当時、あまり馴染みのないものでした。その言葉が新聞などの活字の中でもよく見かけるようになったのは、ストレスというものが、病気の原因として一般社会で認められるようになってきた80年代中頃からだったと思います。

「気づき」とは「awareness」の日本語訳ですが、「awareness」という英語そのものが、ニューエイジや精神世界といった特殊分野の雑誌や書籍の中で頻繁に出てきた言葉なので、とても印象に残っています。その後、自分自身がヨガや瞑想を実践する上で、非常に重要なキーワードであることに気づきました。

では、その「気づき」とは何でしょうか?

それは、聞こえてくる音であれ、目に見えるものであれ、体の感覚であれ、心の中の思いや感情であれ、意識上に現れるものに対して認識し、自覚していることです。

と言うことは、意識上では認識していなくても、無意識の領域でたくさんのことが起きている可能性があるということです。私たちが意識的に認識しているのは全体の一部であって、むしろ無意識で気づいていない部分のほうが多いというわけです。

そのように限定的に気づいた情報に基づいて分析や判断をして考えても、そこから得られる結論は、必ずしも適確ではないかもしれないということです。だから、私たちに必要なのは、可能な限り、結論を出す前に、事実を多角的側面から全体的に捉えることが大切だということです。

ヨガでは、物事を全体的に捉えることができるように体験を重視します。さらに、私たちの無意識の領域にも意識を広げていく手法として「気づき」の能力を育むのです。

今後も「気づき」をテーマにもう少し理解を深めていきますが、次回は、「気づき」を妨げているものが何なのかという話をしていきたいと思います。

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