ちょこっとヨガ講座 - プレスポイント② 骨盤と背骨を活かす

私たちは、体を前後・左右へ動かすということは、背骨を曲げることだと一般的に考えています。しかし、個々の背骨はわずかの角度しか解剖学的には動きません。ただ、わずかな角度でも全体として24個の背骨が共同して動くことによってカーブが大きくなるわけです。だから、大きく背骨を動かそうとして、腰や首といった局所に限度以上の負荷をかけると、ケガや痛みの原因になりかねません。

大切なのは、背骨に負担をかけずに体を動かすことです。そのためには、比較的大きな動きのできる関節を有効に使えばいいのです。人間の体の中で一番大きな関節は、骨盤と太もものを繋ぐ股関節です。この周囲には比較的強い力を出せる太く長く大きな筋肉がたくさん覆っていますから、ある程度の負荷に耐えられます。だから、股関節を起点に骨盤を動きの中心にして、背骨にかかる負担を軽くすればいいのです。

背骨と言うのは、骨盤の動きによって生じた力を外へ向かって伸ばす役割を担うものです。骨盤は動力源、つまり車のエンジンのようなものです。目や頭や両手先は、ハンドルで車輪の向きを変えるように、体の動きに方向性を与えるものです。そして、背骨は、エンジンからの力を車輪へ伝達する回転軸のようなものです。

したがって、背骨は、骨盤からの力の伝達をよくするために、できるだけ真直ぐに伸ばしておいた方が効率的です。さらに背骨には、重力からの衝撃を軽くすることと、必要な方向へ力を向ける柔軟性も大切になります。つまり、背骨には、力が自由に伝わるしなやかさが必要なのであって、負荷のかかる力仕事をさせるところではないということです。

クリパルヨガのプレスポイントは、この骨盤と背骨の持つ可能性を活かすために必要な力や意識を向ける箇所を示す重要なポイントです。

三浦敏郎
1980年代からヨガ指導の傍ら鍼灸院を開業。教師と生徒、治療家と患者との間の縦関係に疑問や限界を感じる中、意識のヨガと呼ばれる「クリパルヨガ」と、気づきのプロセスとクライアントの主体性を重視した「フェニックス・ライジング・ヨガセラピー」に感銘を受け、90年代にそれぞれの公認教師、およびセラピストとなる。現在、クリパル・ジャパンの代表として、日本でのクリパルヨガ教師トレーニング、およびフェニックス・ライジング・ヨガセラピーの養成ディレクターとして活動。

「クリパル・エクスプレス」Vol. 15(2008.05.16発行)より抜粋

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2008-05-16

カテゴリ: ちょこっとヨガ講座

 

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