ちょこっとヨガ講座 - ヨガで繋がること④:今に集中する力

現実は「今」起きている。その現実と繋がるには、自分が「今」にいる必要がある。しかし、それができないのは、注意散漫で「今」に集中できない心のあり方が妨げになっているからだ。
「今」に心を集中させること。これがヨガで最初にしようとしていること。体を動かし、ほぐし、エネルギーを流す。時には大きく、時には小さく。呼吸の流れる場所を限定し、量を変え、均等にする。時には速く、時にはゆっくりと。これらすべてのヨガの行法は、「今」に心を集中させるツールだ。(この具体的な話はいずれ取り上げる予定。)

しかし、それらの行法やツールをどんなによく知り、使えるようにしても、心が集中しないときがある。小手先のツールよりも大切で必要なことがある。それは、心の態度、つまり、心構えのこと。

確かに、ヨガではアーサナや呼吸法など、心を集中するための方法はたくさんある。しかし、日常を振返ると、自分が好きな事や人に対しては、夢中になり、逆に、嫌いな事や人には、イライラしたりムッとしたりする。それが快感であれ、不快感であれ、ある対象に対して心が飽きもせず注意を向け続けるのは、もの凄い集中力だ。興味深いのは、そのような集中力は、トレーニングをした結果ではなく、潜在的に誰の心にも備わっているということだ。

さらに興味深いのは、快感であれ不快感であれ、トレーニングもせずにそれだけの集中力が発揮できるのは、その対象に対して、強い関心や興味を抱くからだ。要するに、集中力とは、心の関心度に比例するもので、これが欠けていては、どんな知識も、ツールとしての行法の実践にも限度がある。

関心を持つとは、関わろうとする心のあり方だ。そして、関わり続けようとする心は、ヨガでいうコミットメント(約束、誓約、関わり合い)のこと。このコミットするという心構えは、どんな習い事をする時にも必要とされることは言うまでもない。「これをやろう」とコミットする
ことは、つまり「これと関わり続けよう」と誓うことだ。

何かと繋がる(ヨガ)体験では、今、ここで起きていることに関わろうとする私たちのコミットメントが要求される。そこには、主体性があり、強さがあり、さらにやさしさが内在する。それは、何かを愛する時の心の在り方に非常に似ている。(続く)

2009-08-01

カテゴリ: ちょこっとヨガ講座

 

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