カルマについて④:心の反応からの解放

前回までに話した心の反応であるサンスカーラに気づく重要なポイントは、感覚に意識を向けることです。感覚は、その時々の心身の状態をあるがままに知らせるモニターのようなもので、認識から次の行為が発生する狭間でいつも生じているエネルギー的な現象です。
私たちは、「数人の参加者がいるヨガクラスを指導した」という行為に反応しているのではなく、その体験から判断・評価した「数人しか来なくてダメだった」とか、「数人でも来てくれてよかった」という心の認識の仕方に対して反応しているのです。しかも、もっと正確に言えば、その自分の認識に反応したというよりも、それによって生じる肉体の感覚に対して反応しているのです。

「数人しか来なくてダメだった」と判断すれば、不快で居心地の悪い感覚が起きるでしょう。また、「数人でも来てくれてよかった」という判断をすれば、心地いい感覚が起きるでしょう。不快な感覚に対しては嫌い、心地いい感覚に対しては渇望するでしょう。この心の反応パターンが無意識層にサンスカーラという種としてインプットされ、「好きか、嫌いか」という感情から次の行動が生まれてきます。

私たちの思考、感情、行動の多くは、このサンスカーラによって条件づけられていて、起きていることをあるがままの現実として観察したり体験したりする妨げになっています。だから、ヨガではカルマを排除するというより、そのカルマを受けとめる側の心の認識の仕方、外界に対する世界観、そして行為の元となっている、心の反応パターンであるサンスカーラに気づき、そこから自分を解放するのです。(続く)

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