クリパルヨガの特徴④:音を出すこと

クリパルヨガのクラスを受けていると、生徒がやたらと声を出しています。ウジャーイの呼吸音なら、他の流派でも出しますが、「ハァ~」「うぅ~」といった、ため息のような、時には、うめき声のような声まで聞こえてきます。最初は、その音に気が散ったり、教師から音を出すように勧められても、恥ずかしかったりしますが、慣れるとそれなりに自由で開放的な気分になります。
声を出すと、心身の緊張が取り除かれます。時には、口から「ハァー」っと思い切り息を吐く方が、難しい呼吸法よりも、ずっと楽に体の力が抜けリラックスできるものです。

人間は、そもそも、力を入れて踏ん張る時も、力を抜いてため息を出す時も、また、うめいたり、泣いたりする時も音を出します。感情や気持ちを声にして音を出すことは、人間としてごく自然なことです。それをどこかで「みっともない」とか「よくないこと」という思いで止めているのなら、内からの欲求を抑止していることになります。

乳幼児は、同じ泣声であっても、それぞれの必要に応じて、微妙に違った音を発することで、親に自分の意志を伝えることができます。それは、論理的思考に基づいた言葉よりも原始的だからこそ、ある意味リアルに、私たちに訴えかけてくるのだと思います。

湧いてくる感情や気持ちは、まさにプラーナの表現です。それを習慣的に抑制し続けていると、しまいに、自分自身のフィーリングに鈍感になり、心の中で起きていることに触れる機会を逃すことになります。

心に湧く感情を外に表現する方法が声として音に出すことであるなら、逆に、まず、音を出すことによって、自分自身さえ気づいていなかった心の微細な感情を感じ取る機会にもなります。歌を歌うことで、自然に中から感情が湧いてくることは、誰でも体験したことがあるでしょう。

エネルギーである音は、物事の断片だけを説明する言葉と違い、原始的ではありながら、全体性を兼ね備えた包括的なものです。自分の奥深くで起きている微細な波動を、耳にはっきりと聴こえる音に増幅して振動させると、自分の中で起きている現実、その微細な波動が意識のレベルにダイレクトに響いてくるのです。

次回、クリパルヨガをする時には、笑い声、うめき声、ため息など、体の中から声を出すことで、その奥にある感覚や気持ちを感じ取ってみてください。ヨガの体験が、また、ぐっと深まってくるでしょう。(続く)

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