クリパルヨガの特徴⑬:3ステージ

前回の「クリパルヨガの特徴(その12)」の中で、ヨガ教典である「ヨガスートラ」の8支則のうち5つの部門を、以下のように3つのステージに分類した理論がクリパルヨガにはあり、それに基づいた実践方法があるという話をしました。

1、アーサナ&プラーナヤーマ → ステージ1
2、プラティヤハーラ&ダーラナ → ステージ2
3、ディヤーナ → ステージ3

ここまでの詳細は、前回の記事をご覧ください。

今回は、この3つのクリパルのステージについて、そのアプローチと特徴について触れていきます。

クリパルヨガの3つのステージ

まず、ステージ1ですが、これは、しっかりとした土台を作る段階です。私たちが何かを学ぶ時、まずは型を習い、それを何度も反復して覚えていきます。そして、その型に自分を置くことによって効率よく自分の力を発揮できるようになります。このような型作りの作業が土台作りというもので、クリパルヨガの中では、安定したポーズ(アーサナ)を取り、呼吸を整えることがこの段階にあたります。

この土台作りの中で重要な要素は、何をどうしたいのかという自分の意図であり、それを貫く意志です。意志がなくては体を動かすことはできませんし、ポーズを取ることはできません。したがって、ステージ1では、アーサナとそれに伴ったリズミカルな呼吸という外面的な型を作ることに専念しながら、実際はその練習の中で、自分の意図と意志をしっかりと保ち、心を強化しながら「自分がヨガをしている」という主体性を養っているのです。

土台作りによって、体が安定し、呼吸が深まり、生命エネルギー(プラーナ)が活性化されてきたところで、さらにそのアーサナを最大に開くギリギリのエッジまで導き、そこでポーズを保ってホールドするのがステージ2です。ホールドによって、体内のプラーナはさらに高まり、全身に肉体感覚や心理的な思いやフィーリングが生じてきます。ステージ2では、それらに対して、冷静に客観的に観察(プラティヤハーラ)しながら、アーサナを保つことに集中(ダーラナ)します。

この段階では、意志とプラーナの共存状態が起きるのですが、この両者は対立し合うことが多いため、自分の中に葛藤や抵抗、不安や焦りといった日常の心のあり方が表面化する傾向にあります。いわゆる心理的なエッジに立たされるのですが、そこで高まるプラーナとそれによって生じる心身の現象をそのまま観察し続けることで、意識が「今、ここ」に集中し、ポーズの体験はさらに深まっていきます。

ステージ2で高まったプラーナによって生じる感覚やフィーリングに身を委ね、体を自発的に動かし、その展開すべてを冷静に観察する目撃意識を培うのがステージ3です。

ここでは、アーサナの型にあてはめるように体を動かしていくのではなく、プラーナによって自然に体が動いていくことに身を委ねていく、動く瞑想(ディヤーナ)が始まります。したがって、ステージ1のような強い意志による練習ではなく、むしろ、意志によって「自分がヨガをする」状態を放棄(surrender)して、プラーナの流れを信頼し、「ヨガによって自分が動かされていく」展開に身を委ね、受け入れ、許容する力を養っていきます。

自分の意志だけで進んでいても、どこかで限界を感じ始めたり、土台としての型だけで押し通そうとしても、思うようにならなくなることがあります。そんな時に、型に固執していた意識を少し切り替えたり、一歩退いて力を抜いたりすると、意外にそれまで以上の力を発揮できることがあります。型を大切にしながらも、それに固執せず、むしろその型から自分を解放し、内面に眠っていた潜在性を引き出すような体験は、語学や楽器の練習など、どんな習い事にでも通じることだと思います。

クリパルヨガで3つのステージをバランスよく練習すると、この自力と他力のバランスを身につけていくことができます。現在、Yoga of Lifeで行っているクラスは、この3つのステージによって分類されていますが、難易度を示したレベル分けではありません。どのアプローチのクラスを受けるか、その時の自分の体や心に聴いて選んでみてください。

参考記事:ちょこっとヨガ講座「カルマについて③エッジ~自己変革

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