クリパルヨガの特徴⑦:個の尊重

クリパルヨガの特徴として、多くの人が指摘するのは、個々の体験を尊重する点です。クリパルヨガでは、ポーズを皆と同じように出来る必要はありません。安全に自分の体に合わせて行えばそれでいいのです。

本来、ヨガは自己を探求するための手段。ポーズをすることも、呼吸法を行うことも、瞑想をすることも、すべて手段です。手段がどこかで「たどり着かなくては行けないゴール」となると大切なものを見失います。大切なのは、それらをツールにして、個としての自分を見つめることです。

あるヨガのポーズをとっていて、Aさんは、楽しくて元気が出てくるかもしれませんが、Bさんは、反対に、不安で意気消沈するかもしれません。それは、AさんとBさんが、それぞれ違った体を持ち、そこで起きることに対して違った感じ方や捉え方、つまり主観的な世界観を持っているからです。2人の人間が同じことをしても、2つの違う体験が起きるのは自然なことです。それぞれが、固有の体験をしっかりと見つめるのが自己探求の始まりです。

ヨガによって自分自身を探求したいのなら、個々の主観的な相違にこそ注目すべきです。人と違っていることや感じ方が違うことを恐れずに、認め、受け止めることこそが、「個を尊重する」という心のあり方です。皆が同じ形を取ることが目的になってしまっては、人前で見せる演技(パフォーマンス)になってしまいます。まして、人と同じようにしなくてはならないと自分にポーズを強要し始めたら、それは探求ではなく、自分への暴力です。

マットでヨガの練習をしている時であっても、日常生活の中であっても、その体験が何であれ、そこから自分が何かを学び、必要な成長をしていく貴重な体験なのだと理解し始めるとき、ヨガは、本当に自分の暮らしに役立つものなっていくでしょう。

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